本を読んでも忘れるのは当たり前!脳科学でわかる記憶に残る読書術

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「本を読んでも、数日経つと内容をほとんど覚えていない……私って記憶力が悪い?」

家事や育児の合間を縫ってせっかく本を読んだのに、内容をすぐに忘れてしまって落ち込んだことはありませんか? 「時間の無駄だったかも」と自分を責めてしまう気持ち、よくわかります。

でも、安心してください。実は、読んだ本の内容を忘れてしまうのは「脳の仕組み」として当たり前のことなんです。むしろ、正しく忘れることは、あなたの脳が正常に働いている証拠でもあります。

この記事では、脳科学の視点から「なぜ人は忘れるのか」を解き明かし、忙しい主婦の方でも今日からできる「記憶に残すためのシンプルなコツ」をご紹介します。さらに、「忘れることを前提」にした、損をせず知識を増やす賢い読書スタイルもお伝えします。

「全部覚えなきゃ」というプレッシャーを手放して、もっと自由に、気楽に本を楽しむ方法を一緒に見ていきましょう。

安心して!本を読んでも忘れるのは「脳の仕組み」です

女性が椅子に座って本を読んでいる様子

「忘れる」のは脳の正常な「お掃除機能」

「せっかく本を読んだのに、数日後には内容をほとんど覚えていない」。そんな経験をして、自分は記憶力が悪いのではないかと落ち込んでしまう方は少なくありません。しかし、安心してください。本の内容を忘れてしまうのは、あなたの能力不足ではなく、脳が正常に働いている証拠です。

最新の脳科学研究によると、脳内には「Rac1(ラックワン)」と呼ばれるタンパク質が存在し、積極的に記憶を消去する役割を担っていることがわかっています。これを専門的には「能動的忘却」と呼びます。

脳にとって、すべての情報を溜め込むことは負担が大きすぎます。そのため、部屋をきれいに保つために不要なゴミを捨てるのと同じように、脳も新しい情報を取り入れるスペースを作るために、古い情報を意図的に「掃除」しているのです。つまり、忘れることは脳の健康を保つための大切な機能といえます。

「エビングハウスの忘却曲線」の本当の意味

記憶の話になるとよく引き合いに出されるのが「エビングハウスの忘却曲線」です。「人は覚えたことを20分後に42%忘れ、1日後には74%忘れる」という話を聞いたことがあるかもしれません。この数字だけを聞くと絶望的な気持ちになりますが、実はこれには大きな誤解があります。

この実験は、意味のないアルファベットの羅列を記憶した場合のデータであり、物語や実用書のような「意味のある情報」にはそのまま当てはまりません。さらに重要なのは、この実験が示しているのは「どれだけ覚えているか」ではなく、「覚え直すのにどれだけ時間を節約できたか」という点です。

たとえ内容をすっかり忘れているように感じても、もう一度その本を読んだときに「あ、これ知ってる!」とスラスラ読めるのであれば、脳には記憶の痕跡がしっかりと残っています。完全に消えたわけではないので、過度に心配する必要はありません。

読書好きでも細部は忘れているのが現実

年間で数百冊もの本を読むような読書家や作家であっても、読んだ本の内容を隅々まで覚えているわけではありません。小説のトリックや登場人物の名前、ビジネス書の細かいデータなどは、彼らもまた、読み終わったそばから忘れていきます。

脳は「生存に必要な情報」や「強烈に感情が動いたこと」以外は、優先順位を下げて忘れるようにできています。これは人間の生存戦略として自然なことです。「読書家はみんな覚えているはず」という思い込みは捨てましょう。「みんな忘れているんだ」と割り切るだけで、読書へのプレッシャーはずっと軽くなります。

それでも読書には意味がある?「全部覚える」をあきらめよう

公園で読書を終えた女性の様子

暗記ではなく「1%」行動が変われば成功

読書の目的について、少し視点を変えてみましょう。本を読む目的は、テスト勉強のように内容を暗記することではありません。そこに書かれている知識を使って、今の生活を少しでも良くすることにあるはずです。

「パレートの法則」をご存知でしょうか。これは「重要な成果の80%は、全体の20%の要素から生み出される」という法則です。本においても、本当に重要なメッセージは全体の20%程度に含まれていると言われます。

もっと言えば、その中のたった「1%」でも実生活に取り入れられれば、その読書は大成功です。例えば、片付けの本を読んで、内容は忘れてしまったけれど「玄関の靴を揃える習慣」だけは身についた。それだけで、その本を買った価値は十分にあります。

「知識」より「感性」や「価値観」を磨くことが大事

具体的な内容は忘れてしまっても、本を読むことで得た「感動」や「考え方の変化」は、心の深い部分に残ります。これは食事に例えるとわかりやすいかもしれません。

あなたは、一週間前のランチに何を食べたか覚えていますか? おそらくメニューは忘れてしまっているでしょう。しかし、その食事から摂取した栄養は吸収され、あなたの血肉となっています。

読書も同じです。言葉としての記憶は消えても、その本に触れたことで感じたことや考えたことは、あなたの「感性」や「価値観」という土壌を豊かにしています。一見何も残っていないように思えても、読書は確実にあなたという人間を形作っているのです。

忘れることを恐れずに「つまみ食い」する勇気

「買った本は最初から最後まで全部読まなければならない」という思い込みが、読書を苦しいものにしています。真面目な方ほどこの傾向が強いですが、興味のない部分を無理に読んでも頭には入りません。

脳は、関心のない情報を「不要なもの」として処理します。嫌々読むことは、脳の「忘れる機能」をフル回転させているようなものです。

忙しい主婦の方こそ、自分に必要な部分だけを拾い読みする「つまみ食い」をおすすめします。目次を見て気になった章だけ読む、あるいは結論だけ読む。それだけで十分です。忘れることを恐れず、美味しいところだけを味わう勇気を持ちましょう。

忙しい主婦でも実践可能!記憶に残す「3つのシンプル読書術」

読んだ本をメモしている女性

【読む前】脳の検索エンジンを起動する(カラーバス効果)

読んだ内容を記憶に残すために、最も簡単で効果的な方法は、読む前に「目的」を決めることです。「なんとなく」読み始めるのではなく、「この本から何を知りたいか」をたった一つでいいので決めてください。

例えば、「今日の夕飯作りのヒントを1つ探す」「子供にイライラしない考え方を知る」といった具体的な目的です。これを決めると、脳の「網様体賦活系(RAS)」という部分が働き始めます。これは、自分に関係のある情報だけを自動的に集めるフィルターのような機能です。

これは「カラーバス効果」とも呼ばれます。街中で「赤いもの」を探そうと意識すると、急に赤いポストや看板が目に入ってくるのと同じ現象です。目的を決めることは、脳という検索エンジンに「検索ワード」を入力する作業であり、これだけで情報の吸収率は格段に上がります。

【読書中】心が動いた箇所に「痕跡」を残す

本を読んでいる最中に「へぇ〜」「なるほど!」と心が動いたら、すかさずそこに「痕跡」を残しましょう。付箋を貼る、マーカーで線を引く、あるいはページの角を折る(ドッグイヤー)など、方法はなんでも構いません。

感情が動いた瞬間というのは、脳内物質が分泌され、記憶が定着しやすい状態になっています。そこに「手を動かす」という物理的なアクションを加えることで、記憶はより強固になります。

また、痕跡を残しておけば、後で読み返すときにその部分だけを見れば済みます。本全体を読み直す時間はなくても、付箋の場所だけなら数分で復習できます。忙しい日常の中で記憶を維持するには、この「数分の復習」が大きな力を発揮します。

【読んだ後】「3の法則」で要点をメモする

本を読み終えたら、自分にとって重要だったポイントを「3つだけ」メモに残しましょう。ノートの端やスマホのメモ帳で十分です。

認知科学の世界では、「3」という数字は人間が最も処理しやすく、記憶に残りやすいパターンだと言われています。「3の法則(Rule of Three)」と呼ばれるものです。だらだらと長く書くのではなく、3つに絞り込むことが重要です。

「一番大切だと思ったことは何か?」と自分に問いかけ、3つ選ぼうとすることで、脳内で情報の整理と優先順位付けが行われます。この「考える手順」を経ることで、読んだ情報はただの知識から、使える知恵へと変わります。

最強の記憶定着術は「誰かに話す」こと

本についてお話ししている女性二人の様子

「学習ピラミッド」の真実とアウトプットの効果

「本を読むだけ」よりも「誰かに教える」ほうが学習効果が高い。これは感覚的にも納得できる話ですが、実際に「学習ピラミッド」というモデルでも示唆されています。

なぜ「話す」ことが記憶に良いのでしょうか。それは、人に説明するためには、一度情報を自分の頭の中で整理し、自分の言葉に置き換える「再言語化」の作業が必要になるからです。

ただ文字を目で追っているだけの受け身の状態(インプット)とは違い、話すこと(アウトプット)は脳をフル回転させます。脳は「自分で使った情報」を「重要な情報」と認識するため、記憶の定着率が飛躍的に高まるのです。

家族や友人に「今日読んだ本」の話をするだけでOK

「誰かに話す」といっても、セミナーのように立派にプレゼンする必要はありません。家族や友人との雑談で十分です。

「今日読んだ本に、こんな面白いことが書いてあったよ」「へぇ、そうなんだ」この程度の会話で構いません。夕食の時や、友人とお茶をしている時に、話題の一つとして話してみてください。

「あの時、あの人に話した」というエピソード記憶とセットになることで、本の内容はより鮮明に記憶に残ります。話す相手が楽しんでくれれば一石二鳥ですし、何より自分のための最高の復習になります。

SNSで「一行感想」をつぶやく

もし話す相手が近くにいない時や、一人でじっくり考えたい時は、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSを活用しましょう。

ここでも長文のレビューを書く必要はありません。気合を入れすぎると続きません。「#読了」といったタグをつけて、本の中で一番心に響いた一行を引用し、簡単な感想を添えるだけでOKです。

「誰かに見られるかもしれない」という適度な緊張感は、脳の集中力を高めます。また、自分の読書記録が積み重なっていく様子を見るのは楽しいもので、読書を続けるモチベーションにもなります。

「忘れてもいい読書」を始めよう!多読こそが記憶の鍵

本の整理をしている女性

1冊を完璧にするより、たくさんの本に触れるメリット

記憶に残すための逆転の発想として、「多読」をおすすめします。一冊の本を必死に覚えようとするよりも、同じジャンルの本を何冊も読むほうが、結果的に記憶に残ることがあります。

これは「シントピック・リーディング(同一主題多読)」と呼ばれる手法の簡易版です。複数の本を読んでいると、「この話、あの本にも書いてあったな」と共通する重要ポイントに気づくことがあります。

別々の著者が同じことを言っていると、脳は「これは本当に重要なことなんだ!」と認識し、強力に記憶します。一冊に執着せず、たくさんの本に触れることで、自然と知識の核となる部分が形成されていくのです。

「もったいない」を捨てる!サンクコストと読み放題

多読をする上で邪魔になるのが「もったいない」という心理です。これを行動経済学で「サンクコスト(埋没費用)効果」と呼びます。

本を購入した場合、「せっかくお金を払ったのだから」と、つまらない本でも無理して読み続けてしまいがちです。しかし、面白くないと感じている時、脳は情報を拒絶しています。これは時間と労力の無駄遣いです。

本当に効率的な読書をするなら、少し読んで「違うな」と思ったら、すぐにその本を閉じて次の本へ行くべきです。しかし、一冊ごとにお金がかかると、なかなかそれができません。そこで活用したいのが「読み放題サービス」です。

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「忘れてもいい読書」や「多読」を実践するのに最適なのが、Amazonの「Kindle Unlimited」です。月額980円で、200万冊以上の本、雑誌、マンガが読み放題になります。

図書館に行く手間も、返却期限を気にする必要もありません。スマホやタブレットがあれば、家事の合間や移動中など、いつでもどこでも「知識の宝庫」にアクセスできます。

最大の特徴は、何冊読んでも(あるいは途中でやめても)料金が変わらないことです。「ちょっと読んでみて、合わなかったらすぐ返却」という使い方ができるので、サンクコストに縛られず、常に自分が「面白い!」と思える本だけを読み続けられます。

初回は30日間の無料体験が用意されています。「忘れてもいいから、好きなだけつまみ食いする」という贅沢な読書体験を、まずはリスクなしで試してみてはいかがでしょうか。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 最後に、今回の記事のポイントを振り返ってみましょう。

まとめ

  • 忘れるのは普通のこと: 脳の「お掃除機能」が正常に働いている証拠です。自分を責める必要はありません。
  • 1%で十分: 全部覚えようとせず、実生活で使える知恵を「1つ」持ち帰れば読書は大成功です。
  • 3つのシンプル術: 「目的を決める」「痕跡を残す」「3つだけメモする」。これだけで定着率は変わります。
  • 人に話すのが最強: 家族との雑談やSNSでの一行感想が、脳への最高の復習になります。
  • 多読でカバー: 「Kindle Unlimited」なら、忘れることを恐れずにたくさんの本に触れられます。

読書はテスト勉強ではありません。たとえ具体的な内容を忘れてしまっても、本を通じて得た感情や新しい視点は、あなたの感性を磨き、人生を豊かにしてくれています。これからは「忘れてもいいや」と割り切って、もっと気楽にページをめくってみてください。

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