育児休業給付金はいくらもらえる?計算方法と月収別シミュレーションを総務担当が解説

子どもを抱いて喜んでいる夫婦 社会保険・労務
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育児休業中、給付金がいくらもらえるのか不安に感じていませんか。育児休業給付金は、条件を満たせば休業前の手取りの約8割を受け取れる心強い制度です。この記事では、計算方法・パートや派遣でもらえる条件・2025年の新制度まで、総務担当経験をもとにわかりやすく解説します。

育児休業給付金とは

育児休業給付金とは、育児休業中の収入減を補うために支給される給付金です。会社からの給与ではなく、雇用保険から支給されます。育休中は会社からの給与が止まるケースがほとんどですが、この給付金があることで家計への影響を抑えられます。

実際の総務担当の現場では、対象者に育休取得を勧めても、業務の忙しさや人手不足を理由に取得を見送ってしまうケースも少なくありません。給付金の心強さを知っていても、職場の状況が取得の壁になることもあります。

育児休業給付金の仕組みと支給元

育児休業給付金は、雇用保険の制度のひとつです。支給元はハローワーク(公共職業安定所)で、会社を通じて申請します。育休中は給与が支払われないことが多いですが、給付金自体は非課税のため所得税はかかりません。ただし、前年の所得に基づく住民税の支払いは育休中も続くため注意しましょう。また、育休中は社会保険料(健康保険・厚生年金)の支払いも免除されます。これらをあわせると、実質的な手取りへの影響は思ったより少なくなります。

もらえる条件(雇用保険加入・勤務実績)

育児休業給付金をもらうには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。

  • 雇用保険に加入している(週20時間以上・31日以上継続して雇用されている場合が対象)
  • 育休開始前の2年間に、「賃金支払基礎日数が11日以上ある月(11日未満でも就業時間が80時間以上ある月)」が12か月以上ある
  • 育児休業を取得している(原則として子どもが1歳になるまで)

パートや派遣の方でも、雇用保険に加入していれば対象になります。「自分はもらえるの?」と不安な方は、まず雇用保険に加入しているかどうかを給与明細で確認してみましょう。

育児休業給付金はいくらもらえる?計算方法

育児休業給付金の金額は、育休前の給与をもとに計算します。支給率は育休開始からの期間によって異なります。この章では、計算式・月収別の金額シミュレーション・上限と下限額を順番に説明します。

基本の計算式(67%と50%の違い)

育児休業給付金の支給額は、以下の計算式で求められます。

育休開始から180日目まで 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 67%

181日目以降 休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 50%

「休業開始時賃金日額」とは、育休前6か月の給与合計を180で割った金額です。ボーナスは含みません。育休開始から180日(約6か月)を境に、支給率が67%から50%に下がる点に注意しましょう。

月収別シミュレーション早見表

月収ごとの支給額の目安は以下のとおりです(2025年4月時点)。

育休前の月収開始〜180日(67%)181日目以降(50%)
15万円約10万円約7.5万円
20万円約13.4万円約10万円
25万円約16.75万円約12.5万円
30万円約20.1万円約15万円

あくまで目安です。正確な金額は、ハローワークまたは会社の担当者に確認しましょう。

支給の上限額・下限額

支給額には上限と下限が設けられています(2025年8月時点)。

区分開始〜180日(67%)181日目以降(50%)
上限額約32.3万円/月約24.1万円/月
下限額約6.0万円/月約4.5万円/月

月収が高くても、上限額以上はもらえません。また、育休中に働いて収入が一定額を超えた場合は、支給額が減額または支給停止になる場合があります。

パート・派遣でも育児休業給付金はもらえる?

「パートだからもらえない」と思っていませんか。実は、雇用形態に関係なく、条件を満たせばパートや派遣の方でも育児休業給付金を受け取れます。

ポイントは、雇用保険に加入しているかどうかです。以下の2つの条件をどちらも満たしていれば、雇用保険に加入義務があります。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 同じ会社に31日以上継続して雇用される見込みがある

扶養内で働いているパートの方でも、上記の条件を満たしていれば雇用保険に加入しているケースがあります。給与明細に「雇用保険料」の控除があれば、加入済みのサインです。

特に高齢の従業員が多い職場では、この制度自体を知らないケースも見られます。「そんな制度があるなんて知らなかった」という声を受けて、総務担当が急いで調べ直すことも珍しくありません。給与明細の雇用保険料の欄を、一度確認してみることをおすすめします。

一方、以下のケースでは給付金をもらえない場合があります。

  • 雇用保険に未加入(週20時間未満のパートなど)
  • 育休前2年間の勤務実績が足りない
  • 有期雇用契約で、子どもが1歳6か月(延長時は2歳)になるまでに労働契約が終了することが明らかな場合

派遣社員の場合は、派遣元(派遣会社)の雇用保険に加入することになります。育休の取得や給付金の申請も、派遣元を通じておこないます。子どもが1歳6か月(延長要件を満たす場合は2歳)に達する日までに労働契約が満了することが明らかでないことが条件です。その日までに契約が終了し、更新の予定もない場合は対象外となります。不明な点は、派遣会社の担当者に早めに確認しておきましょう。

2025年新制度:夫婦で育休を取ると実質10割もらえる仕組み

2025年4月から、育児休業給付金に新しい給付が加わりました。夫婦がともに育休を取得した場合、給付金と社会保険料免除をあわせると、実質的に育休前の手取りとほぼ同額を受け取れる仕組みです。

出生後休業支援給付金とは

出生後休業支援給付金とは、子どもの出生後(父親は8週間以内、母親は産後休業を含む16週間以内)に、父母ともに14日以上の育休を取得した場合に、最大28日分が支給される新しい給付金です(2025年4月時点)。対象となる期間中は通常の育児休業給付金(67%)に加えて、13%が上乗せされます。

給付金の種類支給率
育児休業給付金67%
出生後休業支援給付金(上乗せ分)13%
合計最大80%

実質10割になる理由(社会保険料免除との合わせ技)

給付金だけでは手取りの80%ですが、育休中は社会保険料(健康保険・厚生年金)の支払いが免除されます。さらに、給付金は非課税のため所得税もかかりません。これらをあわせると、手取りベースでほぼ10割に近い水準になります。

たとえば月収25万円の方の場合、手取りは社会保険料や税金を差し引くと約20万円前後です。給付金80%で受け取れる金額は約20万円となり、結果として育休前の手取りとほぼ同額になる計算です。

「給与の10割」ではなく「手取りの実質10割」という点が正確な表現です。勘違いしやすいポイントなので、覚えておきましょう。

育児休業給付金の支給期間

育児休業給付金はいつからいつまでもらえるのか、支給期間を確認しておきましょう。原則は子どもが1歳になるまでですが、条件によっては延長できます。

原則は子どもが1歳になるまで

育児休業給付金の支給期間は、育休開始日から子どもが1歳になる前日までです。支給は2か月ごとにまとめておこなわれます。申請は会社が代行するケースがほとんどのため、育休開始前に会社の担当者に手続きの流れを確認しておくと安心です。

最長2歳まで延長できるケース

以下の条件を満たす場合、支給期間を最長2歳まで延長できます。

  • 子どもが1歳になる時点で、保育所に入所できない場合
  • 配偶者の死亡・病気・離婚などのやむを得ない事情がある場合

延長する場合は、1歳の誕生日の前日までにハローワークへの申請が必要です。申請が遅れると給付金を受け取れない場合があります。「保育所に入れなかった」とわかった時点で、すぐに会社へ連絡しましょう。

もらえないケースと注意点

育児休業給付金は、条件を満たせば受け取れる心強い制度ですが、受給できないケースもあります。事前に確認しておきましょう。

雇用保険に未加入の場合 週の所定労働時間が20時間未満のパートなど、雇用保険に加入していない場合は給付金をもらえません。給与明細で「雇用保険料」の控除がない方は要注意です。

勤務実績が足りない場合 育休開始前の2年間に、「賃金支払基礎日数が11日以上ある月(11日未満でも就業時間が80時間以上ある月)」が12か月に満たない場合は対象外です。産休に入る前に、自分の勤務実績を会社の担当者に確認しておきましょう。

育休中に一定以上働いた場合 育休中に就労した日数が1支給単位期間(約2か月)に10日を超えると、支給額が減額または支給停止になる場合があります。育休中に副業や短時間勤務をする場合は注意が必要です。

申請手続きを忘れた・遅れた場合 育児休業給付金は、会社がハローワークに申請して初めて支給されます。会社が手続きを代行するケースがほとんどですが、まれに本人が把握していないまま申請漏れが起きることがあります。育休開始後2か月を過ぎても会社から連絡がない場合は、自分から確認しましょう。

有期雇用契約で契約終了が明らかな場合 契約社員や派遣社員など有期雇用の方は、子どもが1歳6か月(延長時は2歳)になるまでに労働契約が終了することが明らかな場合は対象外です。契約更新の予定がわからない方は、早めに会社や派遣元に確認しておきましょう。

申請方法と手続きの流れ

育児休業給付金の申請は、基本的に会社が代行します。自分でハローワークに行く必要はほとんどありません。ただし、必要書類の準備や手続きの流れを把握しておくと安心です。

申請に必要な書類

申請に必要な主な書類は以下のとおりです。多くは会社が準備しますが、本人が用意するものもあります。

  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書(会社が準備)
  • 育児休業給付金支給申請書(会社が準備)
  • 母子健康手帳のコピーなど子どもの生年月日を確認できる書類(本人が準備)
  • 受取口座の通帳またはキャッシュカードのコピー(本人が準備・マイナンバーの公金受取口座を利用しない場合等に必要)

育休に入る前に、会社の担当者から「何を準備すればよいか」を確認しておくとスムーズです。

申請の流れ(会社→ハローワーク)

育児休業給付金の申請は、以下の流れでおこないます。

  1. 育休開始前に会社へ申し出る 育休の取得を会社に伝え、手続きの開始を依頼します
  2. 会社が必要書類を準備する 会社がハローワークに提出する書類を整えます
  3. 会社がハローワークへ申請する 育休開始から約2か月後に、初回の申請をおこないます
  4. 給付金が振り込まれる ハローワークでの支給決定から約1週間程度で、本人の口座に振り込まれます

2回目以降は2か月ごとに申請が必要です。会社が継続して手続きをおこなうため、基本的に本人の作業はほとんどありません。不明点はハローワーク(0570-004-114)に問い合わせることもできます。

まとめ

育児休業給付金は、雇用保険に加入していれば、パートや派遣の方でも受け取れる制度です。支給額は育休前の月収の最大67%、2025年の新制度を活用すれば社会保険料免除との合わせ技で実質10割近くを受け取れます。まずは給与明細で雇用保険への加入を確認し、育休前に会社の担当者へ相談してみましょう。育休中の家計への不安を減らして、赤ちゃんとの大切な時間を安心して過ごしてください。

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